名古屋だがや! 茶色のグルメなる王道名古屋飯も卵不使用で食べ歩き #01 手羽先と、忘れられない出会い

Aichi

卵不使用名古屋旅 #01 手羽先と、アレっ子の未来を照らす店長さん

 

名古屋だがや! 茶色のグルメなる王道名古屋飯も、卵不使用で食べ歩きできるのか!?

 

 

その土地に行ったらその土地のものを楽しむ、をテーマに旅する、アレっ子家族。

今回は、秋も深まる名古屋に遠征のときのお話です。

名古屋と言えば?

 

思いつく名古屋飯はなんでしょう。

味噌カツ。衣、揚げ物。

 

天むす。衣、揚げ物。

 

手羽先。これも衣?

ひつまぶし。あ、この茶色は行けるのよね。

 

味噌煮込みうどん。落とし穴に気を付けよ。

 

お味噌もおうどんも、ちびっこにとっても悪くない食材ですが、

 

生卵を中央に落とされているのがデフォルトのスタイルだそう。

 

抜いていただくことは可能なものの、土鍋にこびりついたりもするでしょうし、

 

お店のそこかしこに生卵の成分が飛び交っているのはちょっと危険。

避けたいよね。

 

それから煮込んだおうどんだと、ほかの地方でも共通の注意点として、

具にかまぼこなどの練り物が入っている可能性にも目を光らせて。

 

小倉トースト。というのもある。

朝飯を喫茶店で召し上がる、というその土地の文化を表しているメニューですよね。

 

その厚切りの食パンに、卵を使っているかいないかを確認できれば、行ける可能性もあり。

 

エビフライトーストなるものもあるらしい。

衣だけではなく、タルタルソースやマヨネーズといった、強敵も寄り添う率高し。

 

こうして最初に列挙したのは、貶めるでも悪く書き立てるでもなく、

そしてもちろん諦めるでもなく、

 

城壁の高さがまた高いなあと、見上げたのちに、登るためでございます。

 

そして壁は、飛び越えるのです。

 

結論から言えば、卵アレルギーのアレっ子も、うんと楽しめることができたお話です。

 

さて、

 

名古屋 = 茶色いグルメ、と言われているゆえんは、

旨みの濃さを追求した、潔いまでの職人気質にある、のだそうです。

 

昨今の流行の、お写真に映える鮮やかな彩りよりも、

美味しさを突き詰めた結果の、「茶色い正義」なんだそうです。

 

まあわたしの得意技も茶色いけどね・・・ 煮物とか。

云々。等々。

思いながら、書いております。

 

しかし、アレっ子ちゃんたちにとって、揚げ物、らは、単なる美味しさの象徴ではないですよね。

衣をまとうと、卵というアレルゲンが潜んでいるかもしれない、警戒すべき色でもありますね。

 

我が家の7歳のアレっ子は、揚げ物も大好き。

 

そこでまず、衣が、ごく薄くまとった揚げ物でもある手羽先に、

わたしたちは可能性を見出しました。

 

ここは小麦粉アレっ子ちゃんごめん、の記述となりますが、

 

小麦粉、片栗粉、米粉などの、ふつうの粉だけなら卵アレっ子ちゃんたちには行ける。

 

それが、美味しく開発された独自の魔法の粉!! とかだったら危うい。

添加物の卵白の粉はおそるべしで、もちろん成分表確認必須とは言うまでもない。

 

というわけで、名古屋旅に先掛けて、東京上野で、「世界の山ちゃん」に行ってみた。

ここはかいつまんでお伝えすると、

  • 手羽先自体には卵は不使用
  • ただし、他の卵使用製品とフライヤーは同じ
  • お持ち帰り用の手羽先のみを扱う1階のフライヤーで揚げたものをいただけば、コンタミネーション不安はなし

という、親切なご提案、ご対応をいただくことができました。

 

これは店舗によっては可否が分かれそう。

 

ただ、食わず嫌いになりがちなアレっ子に、「手羽先は大丈夫」という印象をインプットして、名古屋に臨んだのでした。

ちなみにお店を出た後は「手羽先は美味しい」と7歳児にインストールされ、彼の可能域は書き換えられました。

 

さて、名古屋に着いた初日に向かったのが

 

風来坊さんの栄店

昭和38年創業の、手羽先の元祖。

歴史を読むと、名古屋に風来坊あり、絶対行かねば、と思うのだが、思ったのはたった今でして、当の筆者はそれを知らずして夫の検索に任せて連れていかれた場所でした。

しかし何があっても次回の名古屋旅にもここ行くぞ、と記憶に強くブックマークされたお店でした。

 

名古屋の手羽先として、「風来坊」さんは「世界の山ちゃん」さんと二大巨頭であるとのことで、

その違いは、

 

山ちゃんが胡椒がかかっているのが特徴であるのに比べ、

風来坊は甘めのたれが特徴とのこと。

ちびっ子にはなお結構!

 

風来坊の手羽先の形は、食べ終わるとYの字になる骨も特徴的です。

 

さて、いただきますと

おいしい!

 

そして我が家のアレっ子はといえば

おいしい! の言葉も発せず、無我夢中に、いくつもいくつもいただいておりました。

 

  

お値段もお手頃。

 

これ、東京にあったら足繁く通いたくなるなあ、と、名古屋での人気に頷いたのですが

 

なによりもすごかったのが、お店のスタッフさんの接客でした。

 

店長さんの、Ninoさんでした。

訪れた店舗を確認するためにいま検索をして、食べログもちらりと見たら、こんな評価がありました。

 

「接客が抜群! 居心地が良い!」

 

そう。まさにここ。

 

わたしたちはいつものように、席に着いて、ひととおりメニューを見て、手羽先自体には卵は不使用であると事前に調べてあったので良しとして、他に食べられそうなものに大体目星をつけてから、店員さんにいらしていただく。

「アレルギーを持っているので、成分表があれば拝見できますか?」

 

その一言を告げたときの、店長さんの表情の変化がとても印象に残っている。

 

すぐさま「何のアレルギーですか?」と訊かれ、

「卵です」と返すと、

 

「あああー」と少し顔をしかめた後に即答。

 

「手羽先以外はあまり食べられるものないかもしれなくて。」と店長さん。

「あ、だいじょうぶです、手羽先がいただければ。あとはほとんど、入っていなさそうなものしか選ばないので」とわたしたち。

よかった! 手羽先の原材料変更して食べられません、とかではなくて。

とほっとする。

「調べてきます、ご注文されたいものは決まっていますか?」のようなやりとりがあり、

我らは、手羽先と、手羽元と、ひね鶏ポン酢と、お豆腐と、お新香と、枝豆を、

もし卵が入っていないならいただきたい、との旨を伝えた。

少し時間をおいてから、紙を手に戻っていらして、ご説明くださる。

 

「ひね鶏ポン酢自体は大丈夫でした」、と。

 

ただ、お通しを指して、このそぼろは、お店で作っているんですけれど、成分が手元になくて、本社に電話して調べてみたんです、と。ちょっとつながらないので、いったん下げますね、とのこと。

 

細かく原材料を調べてくださって、 ひとつひとつ、成分表と確認しながら丁寧にご説明くださった。

結局、お通しのそぼろには、卵自体は使われていないが、卵のタンパクが入ってある可能性がある、とおっしゃり、結局下げていただきお会計からも削ってくださった。

 

こんなここまで細かく調べてくださったことは、どの都市でもどのお店でも、今までかつてなかった。

こんな丁寧なご対応をしてくださるなんて、と、感激していた。

 

そのことを告げると、

 

ご自身も、子どもの頃、卵、そば、小麦などのアレルギーを持っていらしたのだとおっしゃる。

 

いまもビールはアレルギーで飲めません、とのこと。

 

それらを聞いた筆者は、目を丸くして、そしてその目から涙が出た。

そうか。

 

Ninoさんは、お店の中で、本当によく動いている。

とてもお忙しく周りのお客様に目を配りながら、わたしたちのテーブルに運ぶお料理にも逐一対応してくださっている。

Ninoさんを捕まえてもっと話を聞きたくて、お忙しいところごめんなさいと言ってお邪魔したのだが、まるで意を決したように、耳からイヤホンを外してご丁寧に説明してくださったのだった。

 

なぜアレルギーがあるのに飲食店で働いているのか? という素朴な疑問が出てきたからだ。

 

それは、わたしたちの大事な息子の将来を想像することにつながる、腹の底から湧き上がる質問だった。

 

曰く、

 

アレルギーの人が来たら、自分は対応できる。だから、したいと思う。

でも店は忙しい。自分がアレルギーの対応を丁寧にすることで、仕事は溜まる。接客でも、料理を運ぶのでも、ほかの店員たちにしわ寄せがくる。それはわかっている。だけど、自分としては、きちんと対応したい。

だから、店の人たちに説明して理解をもらっている。それはやらせてくれ、と。その分、他で倍働くから。しっかりカバーするから。と言っている。そして実際やっているつもりでいる。

 

そう話してくださった。

 

忙しい店の片隅で、店長さんと一顧客が立って話し込む。

 

そんな光景が、いまも思い浮かぶ。

 

けれどわずかなその時間、わたしたちは、そこだけぽっかり別世界に立っていたような、

 

ひとの過去、ひとの痛み、ひとの優しさ、ひとが大事にしていること、

 

そういう人間をかたちづくる根幹からの想念が、ひとつひとつの言葉と丁寧に編まれていって、きゅっとしたタイミングで、心が通じたのだと思う。

 

Ninoさんが話していることは歴史であり、愛情であり、彼自身の信念でもあった。

 

そしてそれは、わたしの持っているまた別のそれらと、交錯する瞬間だったのだと思う。

 

いのち が 関わってくると、こういう瞬間の出会いがある。

 

 

そしてそれはとんでもない幸運だと思っている。

 

シンプルに、いちお店としてのご対応には、本当に本当にありがたい。

 

食べられるだけ、ではなくて、わたしたちは、旅先で、どんな思いで食事をできるか、ということが、子の成長段階では、とても大事なことであると考えている。

彼のおかげ、そのまごころ、温かな心のおかげで、わたしたちの名古屋の旅のスタートは最高に良い始まりだった。

 

温かい気持ちと、わくわくした生き生きした彼のパワーを、いただいた。

 

どうしても書いておきたくて、腰を据えて書きたくて、時間が経ってしまったし、お店紹介の域を出ているのだが、

 

 

Ninoさんには本当に感謝している。ありがとうございました。

 

ここでいただいたものを一気紹介します。すべて卵不使用。

定番の手羽先。

手羽元から揚げ。

おいしー

これは大傑作に美味しい、ひね鶏ポン酢。もう一度食べたい。

おつけもの。こちらもしっかり成分確認してくださいました。

お豆腐に、まさかね。という落とし穴もあるけれど、それでも確認したいわたしたちに理解くださる徹底した成分確認を行ってくださいました。

しかも、過信なし。知っていても調べる。という姿勢。

ああ、この方もアレルギーを持っておいでだったんだな、とわかるその丁寧な慎重さ。

 

さて、楽しく美味しくごきげん満腹のハピィなアレっ子。

大阪編#02でご紹介した某串カツ屋の親父様を模した7歳児。

うぉー! というお顔をお見せできないのがざんねん。

 

初日からこの出会いがすごすぎたので、食べ歩き名古屋編と題したくせに、お店一個だけ載せて本話終了とします。

 

この風来坊さんのあとに寄ったお店は次回のお楽しみ。

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