アレっ子も、食い倒れることできるのか!? 卵不使用大阪旅 #03 うどんと豚まんと焼き鳥とお団子
大阪は、アーケードと商店街が文化であるところ、谷町六丁目近くに「からほり商店街」という、地元で愛されるいい感じのお店があちらこちらにある、観光客で賑わい過ぎず、心地の良い通りがありました。
さっそくいちごを買って、食べ歩き! したり!
長らくやっていらっしゃるお豆腐屋さん「岡田屋本店」さんで搾りたて豆乳をいただいたり!
そしてこちらで、さっとは入れてしまったのが、おうどん屋さんのきぬ川さん。
おうどんは、つなぎに卵を使っていることは、なかなかない。
たまーにある程度なので、わりと安全牌。
ちなみに、おそばは、これまでの経験と体感で、1割程度卵をつなぎに使っていらっしゃるお店が存在します。
東京とは違う、大阪の出汁。
薄い色の、しっかり出汁味がおいしくておいしくて、あれ、前回来たときにはこの良さがわからなかったかもなあ。と、いい感じに味覚もちゃんと成熟している我を思った次第。
こちらのきぬ川さん、天ぷらには卵は使っておいででした。
素うどんだと安全なのですが、一方、たんぱく質も摂らせねば……と気になる母です。
普段なら、一食くらいま、いっか、で済むのですが、旅中は野菜の摂取もふだんより少なくなるので、いただくことができたらありがたい。
そこへ、息子から、きつねたべたいー。と。
油揚げ!!! たんぱく質!!!
こちらも原材料を確認し、卵のつなぎも使っていないことが確認できて、無事いただきました。
おうどんの印象は「みずみずしい」でした。
お写真はぶっかけうどん。
ふだんは硬めのおうどんを好む筆者ですが、つるっとすすって歯ごたえに弾力もある、きぬ川さんのおうどんは、ここで食べることができてよかった! と嬉しくなったものです。
地元の方たちに愛される名店、ということを後から知り、ですよね、と思いました。
ぱっと見つけ、さっと寄って、するっといただく。
ああ、素晴らしい流れです。
いただいたあとに、今度はお団子屋さんの十五番さんへ。
いつもなら、おだんご! と飛びつく7歳時は、おうどんで満たされた直後で、食指が動かなかったらしい。そこで、みたらし団子、三食団子、草餅をいただいて折詰していただきました。
注文したらその場でさっと焼いてくださるから、焼き目が美味しそうで、すぐにいただきたかったのだが、そのまま次へ。
さて、卵不使用大阪旅 #01 の冒頭にちらと、こちらも大阪で某有名チェーン店の豚まんについて触れましたが、
いやいやいや、アレっ子のための豚まんといったらこちら! ぜったいここ!!
という素晴らしい豚まん屋さんと出会えました。豚饅まつおかさん。
こちらも、からほり商店街を歩いていたら、偶然見つけることができた僥倖です。
調べて行ったのではなく、こんなふうに目についたお店につぎつぎ。楽しい!
なんとこちらの豚まん・あんまんは、卵不使用、完全除去です。
卵、乳、入っておりません!! 原材料もはっきり出しておいでです。
驚喜しました。
なぜならこの豚まんをつくっておいでのご店主も、卵アレルギーなんだそうです。
相手方のアレルギーを知って喜ぶとは、なんとも失礼な気持ちであるし、不謹慎な表現です。
それでもなお、この安心感には代えがたいものがある。
ご店主にもお断りのうえ、こちらを掲載しています。
すぐいただくように1つを熱々で。あとは家に帰ってから温めたほうが美味しいとのことで、お持ち帰り用に包んでいただきました。
なんていうか、ありがとうございます、でした。
そんな心持ちで、豚まんの包みをおしいただくようにして、胸に抱えました。
母が豚まん屋さんで話し込んでいる間、父と息子は、近くに焼き鳥屋さんを見つけました。
豚まん屋のまつおかさんを後にして、そちらへ。
1946年創業という焼き鳥屋さんの鳥辰さん。
お子さんが近くにいる、若い女性が焼いていらしたので、これは聞きやすいかも! とチャンスを見つけた感で、お訊ねします。
焼き鳥は、卵問題、かなり無事です。
ただ、つくねにはつなぎで卵使用が多い。
焼いている最中に、たれを共用しているため、それを許容できるか。というところです。
そこについては、最近の東京の生活でクリアでき、焼き鳥が息子のお気に入りランキングに入って、わたしたちの可能性が広がったところでした。
やきとり! と小躍りしている我らがアレっ子。
おやつに。余ったら帰りの新幹線で食べてもいいしね!
と、いろいろな部位を買って、お持ち帰り。
こうして行き当たりばったりで食べ歩きできる幸せ。
その価値に対するその喜びこそ、アレっ子ちゃんたちの特権と言うしかない。
買わなかったけれど、こちらも行けそう。おむすびのお店。
からほり商店街のあと、通天閣へ向かうつもりが、「花火」と目に入り、ふらっと寄ったところ。
松屋町「まっちゃまち」の天明館さん。
わたしたちがスカイツリーに登ったことがないように、こちらのお母さん方も通天閣にはいらしたことがないと仰言っておいででした。
花火のお店!
五月人形などもそろっています。
ごはんとは関係ないけれど、子連れだったら絶対おすすめ!
そして筆者は、こちらで「大阪のおばちゃん」、の真のすばらしさに、生まれて初めて気づかされたのでした。そのことをちらりと。
大阪の人、とか、ぼけとつっこみ、とか、おもしろい、とか、そういういわゆるステレオタイプのイメージは大なり小なり皆さんお持ちだと思うのですが、何を持ってそういうのか、テレビの芸人さんとかではなくて、普通のお店の優しいお姉さんが、ふつうにずっとおもしろいことを言っている。
いちいちお返事もひとひねりおもしろくて、すごい回転早いし、あああ大阪の人って頭いいんだ! とか、相手にきちんと関わってくるんだ! とか、東京の人が冷たいってこういうことね!! とか、ぜんぶがいっぺんにうわってわかってしまった、心地の良い目からうろこ、を味わいました。そんなお店がこちら。
なので急に食べ物の話からは逸れて熱く語っておりますが、今回わたしたちが大阪で楽しい思いができて、心から充実していたのは、こんな人情溢れる素敵な方々とのやりとりということは外せないと思い、どうしても触れずにはいられないのです。
楽しかった、天明館さん! ありがとう!
もとい、通天閣。
しかししかし、これは! おすすめです。
通天閣の一番上の展望台に、ベンチがあるのです。
先ほど買い込んだ、焼き鳥や豚まんやお団子屋を、4月最後の日のほぼ初夏の太陽に照らされ、上空の風に吹かれながら、大阪の街を遠くまで眺めながらいただくのです。
こんな贅沢!!
食べられないものがあるからかわいそう、と言ってしまうのは短絡的だよなあ、とこんな時に思うのです。
できないことを逆手にとって、30倍くらいに楽しい方法ってあるんだよね、ってまた思い出しました。
願わくば、息子がいつかそんなふうに、強がりではなく、自然に思うようになることがあれば、うれしいなと思うのです。
ところで、通天閣を降りたあと、最後の大阪満喫に、繁華街を歩きました。そこかしこにある串揚げ屋さんに、訊いて回りました。次来たときにでも、入れるお店があと1軒でもあればいいなと思い。
明るく客引きするお兄さんと何度か目が合い、訊いてみました。
あの~。卵って衣に使っているかどうか、わかります?
そしたら、
あ、あれね、食べちゃあかん、ちゅうやつね。たいていはねー、入ってない店が多いと思うんよ! と、あっちやこっちを指さしながら、あっけらかんと言い放ち、そしてきゅうに声をひそめておっしゃいました。
ちなみにな、うちのは、たまご使ってんけどな。
ニヤリ。
うわー! これが大阪だ! このユーモア。このひとひねり。
ああ、これか、大阪の人は、そのへんにいるひとたちみんなが、ほんとうにおもしろいんだな。
卵入っている、と言われて楽しくなったのは、これが初めてでした。
すごいな、と思った。
なんでも、言い方。表現の仕方。どう伝えるか。
これが自然にできるっていいな。と、感服しておりました。
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